バイアス上げてこ〜!
ということで今回はバイアスについてまとめた記事になります。
前回の記事のヒューリスティックでは、経験則的な直感によっての判断ミスがあるということを解説しました。

今回のバイアスも同じように、直感が間違う理由についてです。
基本的に直感は90%くらいの確率で当たるとされていますが、残りの10%の判断ミスはヒューリスティックとこのバイアスによって起こります。
今回の記事を読むメリットは、
・バイアスの種類がわかる
・自分の勘違いに気づくことができる
・バイアスによっての判断ミスを減らすことができます
です。
正直知っていても不可避かなとは思います。
バイアス

バイアスとは偏り、心理学では無意識の先入観や思い込みとして解釈します。
固定観念のようなもので、正しく判断するにはクリアな状態が必要になります。
いくつかバイアスにも種類があるので解説していきます。
基本的に直感は「自分の判断に合わせる」傾向があるので、多少のミスがあっても辻褄を合わせようとします。
※今回は認知バイアスは省略しております。こちらの記事で認知バイアスにはまとめてありますので、これを読むと完全にバイアスを網羅できます。お手数おかけします。

確証バイアス

自分にとって都合の良い情報だけを集めて、自分の判断の確証となるものを探すことを「確証バイアス」といいます。
あいつは嫌なやつだと判断すると、自分の先入観を立証するような悪い場所ばかり探す「揚げ足取り」をしてしまいます。
逆に好きになったような人だと、どんな欠点でもいいように見えますよね。
料理が苦手でも、ズボラでも全部を受け入れることができます。
このことで、良いと思ったものはさらに良く、悪いもの思ったものはさらに悪く感じてしまいます。
自分に都合のいい情報だけを集めることで、先入観や思い込みは強くなります。
面接での確証バイアス

就職活動では企業にあらかじめ履歴書を送りますよね。
その履歴書から出身大学や持っている資格などで既に判断をしてしまっている可能性があります。
面接が拙くても、東京大学を出ていることがわかっていていれば、面接で優れたところを探そうとします。反対に他の人を否定するような部分を探します。
本当に有力な人が欲しければ、履歴書は面接が終わってから確認する方がいいかもしれませんね。
自己奉仕バイアス

成功したら自分のおかげ、失敗したら誰かのせいという考えが「自己奉仕バイアス」です。
嫌な奴ですよね。
こちらの記事で紹介しています。

テストで良い点を取れば勉強を頑張ったから、悪い点だったら運が悪かったからという結果によって別のものに理由を帰属させることです。
自分のプライドを守るために無意識に働いてしまうバイアスです。
後知恵バイアス

物事が起きてからそれが予測可能だったと考えることを「後知恵バイアス」といいます。
先ほどと同じ記事で紹介しています。

テストなどで、
など言ったことがありませんか?
「後出しの誤認」と私が名前をつけましたが、後から出した方が自分の考えだったと誤認することで、自分を正当化しています。
高校野球で見る後知恵バイアス

高校野球の監督でも、連投しているピッチャーを変えたときに、負けた時は
負けたら意味がない!!
といい、勝った時には
と賞賛されることでしょう。
後からではなんとでも言えますよね。
正常性バイアス

自分にとって悪い情報、害のある情報は無視することを「正常性バイアス」といいます。
俺だけは大丈夫、自分にはそんなことは起こらないという無意識に思うこともこの正常性バイアスに当てはまります。
オレオレ詐欺や振り込め詐欺に遭ってしまう人もこの正常性バイアスを利用されています。
客観的に見ると確実に詐欺だと思われるような時も、いざ自分にとなると「自分は大丈夫」と思ってしまいます。
正常性バイアスとは、 直感で信じた異常を打ち消して「正常」と思い込もうとするバイアスです。
内集団バイアス

自分が所属している集団が優れていると思い込むことを「内集団バイアス」といいます。
こちらの記事で紹介しています。

また、自分以外の人や他の集団を低く評価することも内集団バイアスに当たります。
狂信的な宗教もこれにあたり、自分たちが絶対に正しいと疑わず、考えを押し付けるようにうなってしまいます。
自己奉仕バイアス、正常性バイアスも含まれていて、自分たちは正しいと思い込むことで心の防衛機能も果たしています。
多数派同調バイアス

行動に迷った時、とりあえず周囲の人に合わせようとする、みんなと同じにしておけば間違いないと考えることを「多数派同調バイアス」といいます。
似たようなものにバンドワゴン効果があります。参考までに記事を載せておきます。

多数派同調バイアスの例

韓国で地下鉄が放火され、約200人が死亡した大惨事がありました。
その当時の写真では、煙が充満しているのにも関わらず、乗客たちは逃げようとせずに座席に座っていたというものでした。
「みんな逃げないから、自分も逃げなくて大丈夫」
という思い込みから、避難行動に出られなかったと考えられます。
日本のブラック企業でも同じことが言えますね。
過酷な労働環境で、給与も少ないのにも関わらず、周りの社員が辞めないため、自分も辞めないということです。
この多数派同調バイアスと正常バイアスは密接に関係しています。
みんなが正しいから自分も正しいと思うということです。
リスキーシフト

集団で何か行動をしたり、決断をするときに危険なリスクのある選択をしてしますことを「リスキーシフト」といいます。
内集団バイアスと多数派同調バイアスの併用ですね。
こちらの記事で紹介しています。

集団では、バイアスに陥りやすいので誰か一人でも冷静な判断が下せる人が必要です。
社会的証明の原理
個人の意見の妥当性を証明することで、「みんなやってるから」という言葉で自分を正当化しようとすることです。
自分の判断より周囲の人たちの判断を頼りにするという心理原則です。
『いつも綺麗にしていただきありがとうございます』と看板に書いてあるのも、みんな綺麗にしているなら自分もしようと思わせる効果があります。
それで『みんな』が与える影響は大きく、合わせようとします。
持続性バイアス

今の感情がずっと続くと思い込むことを「持続性バイアス」と言います。
人はポジティブにしてもネガティブにしても、その感情がずっと続くと思いがちです。
ですが、本当は長持ちしません。
大学に入り、「頑張るぞ!」と思っていても慣れてくれば呆けてしまいますし、失恋をして「もうこんな思いをするなら恋なんてしない!」と思っていても、数日経てばケロッとした顔で次の相手を求めます。
この持続性バイアスから、これで失敗したら落ち込んで立ち直れなくなるのではないかと、自分の感情を持続性を必要以上に大きく長く見積もって動けなくなってしまいます。
ちなみに、上の画像は永遠に続くと思っている友達を表しています。
何事も永遠はありません。今の関係を大切にしてくださいね。
保守性バイアス

これまでの自分のやり方に固執して、それ以外を否定し、正当に評価をしないことを「保守性バイアス」と言います。
要するに頑固ということです。
自分への判断の固執が新しい発想を封じ込めてしまいます。
柔軟な発想がクリエイティブなものを生みます。
これを改善するには新しい知識を受け入れたり、新しい習慣を取り入れたりすることがオススメです。
感情バイアス

感情的なことが原因となり、その解釈や判断に歪みを生じることを「感情バイアス」と言います。
例えば、木になる相手の態度がつめたくなった時、自分の周りの人が自分のことを悪く言ったのではないかと思い込むことなどです。
自分の感情を最優先して、相手の気持ちを考慮しない自己中心的で盲目的なバイアスになります。
生存者バイアス

生存者・成功者の言葉だけしかわからないことを「生存者バイアス」と言います。
死人に口なしとも言い換えることができます。
失敗にこそ学ぶことがあると思いますが、その失敗に焦点が当たらないためまた失敗を繰り返してしまいます。
受験後の生存者バイアス
受験後にもし話を聞くなら、合格した人と不合格だった人どちらでしょうか?
不合格の人から話を聞こうとするのは野暮ですよね。
このとき、合格した人からしか話を聞けないことが生存者バイアスです。
ですが、どうして成功したのかよりも失敗をしないためにどうするべきかに、焦点を当てた方がいいとも言われています。
それを「プロスペクト理論」(損失回避の法則)と言いますが、人は損失を恐れるためこちらの方が意欲につながります。

サンプリングバイアス

不適切な標本抽出によって、母集団を代表しない特定の性質のデータがまぎれこんでいることを「サンプリングバイアス」といいます。
サンプルセレクションバイアスとも呼ばれることもあります。
街頭アンケートで、クリスマスどう過ごすか?とクリスマス当日に聞いても街に出向くのは恋人のいる充実された方ばっかりに偏りますよね。
アンケートのサンプルを平等に取れないことが代表として考えられると思います。
思い込みとはやや違うと思いますが、雑誌などのアンケート結果もサンプリングバイアスがかかっている場合があるので気をつけてください。
コンコルド(サンクコスト)効果
バイアスと名前がついていませんが、思い込みという点でこれが浮かんだので紹介させてください!
コンコルド効果とは、ある対象への金銭的・精神的・時間的投資をし続け、損をするにも関わらずそれまでの投資を惜しみ、投資がやめられないことです。

つまり労力をかければかけるほど、やめることができない、もしくは成果が出ると思い込んでしまうことです。
これもバイアスという名前にこそなっていませんが、立派なバイアスであると思います。
バイアスのまとめ
1、確証バイアス…都合の良い情報だけ集める
2、自己奉仕バイアス…結果が自分に都合のいいものにする
3、後知恵バイアス…結果を知っていたことにする
4、正常性バイアス…自分が正常であると思い込む
5、内集団バイアス…自分の集団は強いと思い込む
6、持続性バイアス…今の感情がずっと続くと思い込む
7、保守性バイアス…考えが固く頑固
8、感情バイアス…その時の感情による認知の偏り
9、生存者バイアス…生存者・成功者の声しかわからない
10、サンプリングバイアス…偏った統計
+α、コンコルド効果…労力をかけるほどやめられない
最後に
こんな感じで、バイアスには様々です。
詳しい認知バイアス等も含めればさらに多いですね。
その辺は、こちらのヒューリスティックの記事でまとめてありますので、よかったら一緒に読んでもらえると、心理学による勘違いは網羅できると思います。

避けることは難しいですが、知っておくだけで自分のマインドブロックを壊せる可能性はあると思います。
最後までお疲れ様でした。