バイアスです。
今回は前回紹介した認知バイアスの別の心理効果を紹介します。
前回の記事はこちら!
https://cupuasu.club/psychology-halo-effect/
広告業やビジネスで活かすことのできるおもしろい効果です。
以下の3つの効果です。
- フレーミング効果
- プロスペクト理論
- シャルパンティエ効果
ぜひご一読ください。
今回の記事を読むメリットは、以下の通りです。
・自分の勘違いに気づくことができる
フレーミング効果とは?
いろんなものを判断する指標として数字がよく使われますが、解釈によっては勘違いをしてしまいます。
下記の確率は手術が成功する確率です。
A 100人中20人は死にます
B 80%の確率で成功します
こんな風に医者から言われたら、Bを選びますよね。
どちらも同じ意味を表していることに気付くと思います。
実質的に同じ意味を表す選択肢であっても、表現が違うと選択を変えてしまうことをフレーミング効果といいます
フレーミングとは?
さておき、フレーム(frame)は枠組みを表していて、 どこの部分を切り取って伝えるかで解釈が大きく変わるという意味です。
成功確率を切り取るか、死亡確率を切り取って伝えるかですね。
フレーミング効果の例
例を見ると、さらに理解が深まると思います。
例は以下の通りです。
・10万円を持っている
・彼女がいない
フレーミング効果1-1:10万円を持っています。
A 何もしなければ1万円をもらえます
B トランプでハートが出たらそのまま、それ以外なら10万円は没収します
Aを選びたくなりますよね。
Bを行うと、確率が低く1円ももらえない可能性が出てきます。
Aを選ぶ方が堅実に感じます。
フレーミング効果1-2:10万円を持っています
A 何もしなければ9万円失います
B トランプでハートが出たら1円も取らず、それ以外なら10万円は没収します
Aはマイナスなイメージになったので、Bを選びたくなりますよね。
Aは言い方を変えただけで印象がかなり変わりました。
これがフレーミング効果です。
『ものはいいよう』ということですね
また、この現象には他の心理学的な要素も含まれています。
それは目の前の損失の大きさによって、意思決定が変わる認知バイアスの一つである「プロスペクト理論」です。
例えば、パターン1-1のように損失が出る場合には、損をしたくないのでAを取りやすいといわれています。
プロスペクト理論はこちらの記事で解説しています。
https://cupuasu.club/psychology-sunk-cost-effect/
パターン1-2の場合はは、言い方によって別の認知バイアスであるフレーミング効果が働くので、意思決定を変える選択をしました。
フレーミング効果2:彼女がいない
A 今まで彼女が1人もいたことがない
B 孤高を貫いて、生きてきている(エピソードゼロの男)
すいません。ふざけました(*’ω’*)
まあ、Bの方がカッコイイですよね?
自分の立場をどう解釈するかによって、プラスにもマイナスにもなりえます。
シャルパンティエ効果とは
この効果を説明するために、また例を挙げます。
どちらが重そうですか?
A. 1kgの羽毛布団
B. 1kgの鉄アレイ
どちらも同じ重さですが、体積が大きい布団の方が軽く感じたという検証結果が得られました。
フレーミング効果同様に、言い換えたりすることで重さなどの数字を錯覚してしまうことをシャルパンティエ効果といいます。
https://cupuasu.club/color-psychology-intermediate/
シャルパンティエ効果の例
それでは、例をみていきましょう。
・ビタミンC
・髪の長さ
シャルパンティエ効果1:ビタミンC
A ビタミンC 2000mg配合
B レモン果汁100個分のビタミンC
このようにレモンの個数で表現するとイメージがしやすいですよね。
元から知っているものだと、イメージがしやすくなることもこのシャルパンティエ効果でいえることです。
シャルパンティエ効果2:髪の長さ
A 30億nm(ナノメートル)でお願いします!
B 3m(ミリ)でお願いします。
坊主にすることを想定して、どのくらいの長さがいいのかをお願いしているシーンです。
単位を小さい方にすると少しだけ長く感じますよね。
また極端な例ですが、30億ではなく3000000000と漢数字を使わず表すことで、多く感じるそうです。
フレーミング効果とシャルパンティエ効果を防ぐ
正直、私も引っかかると思うんですよねー。
まあ単位の違いで言えば、すぐ換算することができるのですが、よく知らない商品の効果などについて確率で語られても、正直よくわかりませんよね。
大事なのは
・その商品は私のほしい効果であるか
・適切に判断して、必要であるか
・そのデータの統計は正しいか
を見極めることです。
この記事で統計や確率について述べていますが、母集団が少なかったり、対象とする人が偏ったりすることで情報にバイアス(偏り)がかかるので、正しいといえるかどうかも判断する必要があります。
https://cupuasu.club/arithmetic-probably/
言葉の裏にある真意を読み取ることが、フレーミング効果・シャルパンティエ効果の攻略の鍵になると思います。
フレーミング効果・シャルパンティエ効果を利用する
これまで認知バイアスであるフレーミング効果、シャルパンティエ効果のおかげで、言い換えることで選択を変えてしまうことがわかりました。
これをビジネスやマーケティング・広告に活かさない手はありませんね。
言い換える
いくつか例を挙げると、
・表現を言い換える(プラスに)
東京ドーム何個分の大きさですよー
・単位を変える
1000mg入ってますよー
・プラスに言いたい方に数字を変える。
果汁30%ですよー。
・表現を言い換える(ネガティブに)
これしなかったら、20%の方が不満を感じましたよー
このように活かすことができれば、商品イメージを変えることができ、売り上げアップにつながると思います。
ポジティブシンキングに活かす
言い換えによって、その物事をプラスに考えることができます。
ネガティブからポジティブに言い換えることで、自分に自信を持つことができます。
リフレーミングとも言いますが、こちらの記事で解説しています。
ぜひ実践してみてください。
フレーミング効果・シャルパンティエ効果のまとめ
・フレーミング効果は、同じ意味でも言い換えることで違う印象を与えること
・フレーミングとは、framingで枠組みを作ること
・シャルパンティエ効果は、数字や色のイメージで違う印象を与えること
・フレーミング効果とシャルパンティエ効果はマーケティングの場で多く使われている
最後に
このフレーミング効果、シャルパンティエ効果は認知バイアスの中でも、特に無意識に感じているもので、意識的に改善することが難しいものです。
見極める力・情報力をもって、望むことが一番だと思います。
数字に踊らされることなく、判断してください。
また、今回はどう防ぐかよりも、どう活かすかに注目しました。
商品の良さを最大限活かし、伝えるための方法です。
伝え方・考え方で物事の印象は格段に変わります。
最後までお疲れさまでした。