こんにちは、レイです。
今回は認知バイアスの1つです。
自分たちの集団が優れていると思い込む認知バイアスの1つである内集団バイアスと、異質なものを排除したくなる黒い羊効果をみていきましょう。
「俺達、最強!?」
みなさんはこれまで多くの集団に所属してきたと思います。
学校、部活動、クラブ、会社などですね。
自分が所属している他の集団より、優れていると感じたことはありませんか?
高校や大学でいうと、偏差値などでの比較、部活でいうと経歴や立ち振る舞い、などがあると思います。
このように自分が所属している集団が優れていると思い込む認知バイアスを「内集団バイアス」といいます。
内集団とは?
自分が所属感を感じている集団を「内集団」、そうでない集団を「外集団」といいます。
ですので、所属していても所属感を感じていなければ内集団とはなりません。
逆に所属していなくても所属感や親近感を感じていれば、内集団となる場合もあるので、広く解釈してもらえたらと思います。
内集団バイアスの原因
この内集団バイアスにはいくつか原因があるといわれています。
認知バイアスの一つですから、いくつか勘違いや思い込みが含まれているということです。
内集団バイアスとは具体的には、自分たちが優れていると同時に、外集団が劣っていると判断しています。その理由は評価の基準が違うからです。
テストで考えてみましょう。
チームAは100点が1人、60点が1人、50点が1人
チームBは90点が1人、90点が1人、30点が1人
だとします。この時、平均点は70点と変わりませんが、チームAに所属している1人が
「こっちは100点がいるのに、そっちは30点がいるじゃん。頭悪いな」
と言ったとします。
ですが、このとき行った評価は正当なものでしょうか?
これは極端な例ですが、原因として「内集団の優れた自分を基準に行い、外集団は劣った人間を基準に評価を行う」からです。
このように不適切に外集団の評価を行うことが内集団バイアスの原因です。
また、適切な情報収集を怠る認知バイアスの1つである確証バイアスも併用していると考えられます。
もしくはダニングクルーガー効果と同じで、能力がないあまりに評価ができていないのかもしれません。
ネットで見られる内集団バイアス
SNSで対立している集団を見てみましょう。
お互いに「こいつら民度低すぎwww」と、1人が行った悪い行為・頭の悪い発言ををネットで吊るし上げることがあります。
客観的に見ればどちらも同じくらい愚かですが、その集団の中にいると『こちらの方が正しい』と錯覚してしまいます。
自分のプライドを高めることができる
内集団の質を上げることで、自分のプライドを高めることができます。
優れた集団にいる自分は優れているということですね。
また、実験では自己評価が低いほど内集団バイアスにかかりやすいことが証明されています。自尊心を得にくい状況にある人にとって、手軽に自尊心を得られる手段は魅力的だといえます。
異質なものを排除しようとする黒い羊効果
これまで内集団を過剰に評価してしまう内集団バイアスを見てしまいました。
しかし、途中で理論に無理が出てしまうことがあります。要するに、内集団の質が下がることです。
内集団の評価が強いあまりに、実力のないものや異質なものを排除しようとすることを「黒い羊効果」と読んでいます。
いじめなどにも直結する恐ろしい効果です
欅坂46の「黒い羊」
黒い羊と聞くと、欅坂46の曲を思い出しますよね。
この黒い羊も同じく黒い羊効果により、排除されることについて歌詞にしています。
「目配せしている仲間には僕は厄介者でしかない
真っ白な群れに悪目立ちしてる 自分だけが真っ黒の羊」
仲間と分かり合えない自分を黒い羊に例えて、歌詞にしていることが分かります。
黒い羊という異質であるまま認めてくれないのなら、それでいいし私はあなたたちのような白い羊になろうとも思わない。
いじめられているというよりは、分かり合うことは難しいから、私のことは構わないでいいよと言ってるように私は捉えました。
強さとも寂しさとも呼べるような歌詞ですね。
内集団バイアスはいいこと?
確かに自分たちの集団を評価することで、価値を上げることができるならいいことのようにも思えます。
しかし、SNSの例でみたように1つの事象からその集団を弾圧するようなことにもなりかねません。
ここでダメなのは、不当な評価で相手を落として自分たちを上げようとする行為です。
結論:愚かな行為ですよ
完全に否定するつもりはありませんが、自分たちが優れていると思う証拠を集めるより、やるべきことをやるべきだと思います。
優れていたとしてもひけらかすものでもありませんよね。
最後に
自分たちの集団が優れていると思い込む認知バイアスの1つである内集団バイアスを紹介しました。
自分が所属している集団を誇りに思うことはいいことですが、行き過ぎると人を傷つけたり誤った判断をしてしまいます。
正しく判断することももちろんですが、誇りは心の中だけで留めておきましょう。
口に出してもあまりいいことはありません。
最後までお疲れさまでした。