どうも,ユキです。
今回はパーティーゲームで、お馴染みの人狼ゲームについての検証記事です。
\(n\)人村で,人狼が勝つ確率を求めます。
「人狼ゲームで勝つ確率を計算でもとめたい」,「人狼確率論的に勝つ確率を知りたい」などと言った要望にこたえます。
人狼ゲームとは
人狼ゲームとは簡単に言うと、人狼を当てるゲームです。
最低人数3人で遊ぶゲームで、それぞれ役職があり人狼を当てます。
人狼サイドは、どうにか投票されないように話を進めます。
わかりやすく説明しているサイトもあるので、ぜひ参考にしてください。
会話で楽しむパーティーゲームの1つです。
\(n\)人村で,人狼が2人以上の場合を計算するのは難しい!
結論から言うと,人狼が2人以上を計算するのは,困難を極めます。理由は2つあります。
1 人狼ゲーム特有の計算アルゴリズムがある
2 場合の数を数えられない
1番目の計算アルゴリズムの一部を今日はお話するつもりですが,これがとにかく複雑です。
この計算アルゴリズムの全貌は,今日の記事と別の記事とで分けてお話しします。2番目理由は,言い換えると,
$$人狼が勝つ確率=\frac{人狼が勝つ場合の数}{人狼が勝つ場合の数+人狼が負ける場合の数}$$
という計算方法ができないということです。これらの2つの理由が人狼ゲームの確率モデルを複雑にしています。
人狼ゲームに勝つ確率を求めるのであれば,計算アルゴリズムを明らかにすることは避けては通れないということです。
\(n\)人村で,人狼が1人の場合の人狼が勝つ確率
自作問題
せっかくですから,問題形式で書いてみました。
問題:次の文は,人狼ゲームにまつわる問いである。次の問題文を読み,以下の問いに答えよ。
人狼が1人で,村人が\(n-1\)の合計\(n\)人の\(n\)人村を考える。人狼は毎日,1日の終わりに村人を1人ずつ捕食するので,人狼を処刑したい。そこで,\(n\)人村の住民は毎日,昼に集まって,1人ずつランダムに処刑することにした。
ただし,処刑は,人狼がいなくなるまでの間だけ続き,「占い師」,「霊能者」,「狂人」,「狩人」,「ハンター」など特殊な役職についている人はいないものとする。また,ゲームは1日目の昼から始まるものとする。
(1) 1日目の昼に,村人が処刑される確率\(a_1\)をもとめよ。
(2) 2日目の昼に,村人が処刑される確率\(a_2\)をもとめよ
(3) \(k\)日目の昼に,村人が処刑される確率\(a_k\)をもとめよ。
(4) 村人が処刑される最後の日は,\(n\)が奇数のときは,\(\frac{n-1}{2}\)日目,
\(n\)が偶数のときは,\(\frac{n-2}{n}\)日目であることが知られている。
人狼が勝つ確率\(a_{\frac{n-1}{2}}\),\(a_{\frac{n-2}{2}}\)をそれぞれ求めよ。
問題の解答
解答(1):
\(n\)人の中から,村人\(n-1\)人の誰かが処刑されればよいので,
$$a_1=\frac{n-1}{n}$$
解答(2):
1日目の昼に村人が処刑された上で,2人目に村人が処刑されればよい。
ただし,1日目と2日目で\(n\)人村から村人2人減っていることを考慮すると,2日目の\(n\)人村の人口は,\(n-2\)人となる。
よって,1日目の昼に村人が処刑され,かつ2人目に村人が処刑される確率\(a_2\)は,
$$a_2=a_1\times \frac{n-3}{n-2}=\frac{n-1}{n} \frac{n-3}{n-2}$$
解答(3):
確率\(a_k\)は,1日目から\(k\)日目まで村人が処刑され続ける確率なので,
$$a_k=\frac{n-1}{n}\frac{n-3}{n-2}\frac{n-5}{n-4} \cdots \frac{n-2k+1}{n-2k+2}$$
解答(4):
(1) \(n\)が奇数のとき,確率\( a_{\frac{n-1}{2}}\)は,
$$a_{\frac{n-1}{2}}=\frac{n-1}{n}\frac{n-3}{n-2}\frac{n-5}{n-4}・\cdots・\frac{4}{5}・\frac{2}{3}=\frac{(n-1)!!}{n!!}$$
よって,
$$a_{\frac{n-1}{2}}=\frac{(n-1)!!}{n!!}$$
(※!!は2重階乗)
<終>
(2) \(n\)が偶数のとき,確率\( a_{\frac{n-2}{2}}\)は,
$$a_{\frac{n-2}{2}}=\frac{n-1}{n}\frac{n-3}{n-2}\frac{n-5}{n-4}・\cdots・\frac{5}{6}・\frac{3}{4}=2frac{(n-1)!!}{n!!}$$
よって,
$$=2\frac{(n-1)!!}{n!!}$$
<終>
1人の村人が勝つ確率
これは,余事象の考え方を使うことで求められます。
村人が奇数人のとき,
$$1-\frac{(n-1)!!}{n!!}$$
村人が偶数人のとき,
$$1-2\frac{(n-1)!!}{n!!}$$
村人1人が勝つ確率はこの確率を\(n-1\)で割ると求まります。
村人が奇数人のとき,
$$\frac{1-\frac{(n-1)!!}{n!!}}{n-1}$$
村人が偶数人のとき,
$$\frac{1-2\frac{(n-1)!!}{n!!}}{n-1}$$
実際に計算
人狼が1人のとき\(n\)人村で勝つ確率
人狼が勝つ確率 | 村人1人が勝つ確率 | |
3人村 | 0.667 | 0.333 |
6人村 | 0.625 | 0.075 |
9人村 | 0.406 | 0.059 |
12人村 | 0.451 | 0.050 |
「あれ,9人村よりも12人村の方が,人狼が勝つ確率が高い」
と思いませんでしたか?断言しますが,実はこれ,間違ってません!
偶数人の方が奇数人のときに比べて,人狼側が有利になってしまうんです。->
https://cupuasu.club/werewolf-probably-theory2/
まとめ
1 村の人口が奇数人のとき,人狼が勝つ確率は
$$\frac{(n-1)!!}{n!!}$$
(※!!は2重階乗)
2 村人の人口が偶数人のとき,人狼が勝つ確率は
$$2\frac{(n-1)!!}{n!!}$$
3 村の人口が奇数人のとき,
$$\frac{1-\frac{(n-1)!!}{n!!}}{n-1}$$
4 村の人口が偶数人のとき,
$$\frac{1-2\frac{(n-1)!!}{n!!}}{n-1}$$
5 村の人口が偶数人のときは,人狼側にとって有利に働く。
6 村人が勝つ確率は人狼が勝つ確率に比べて圧倒的に少ない
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これからの展望
人狼が1人のときの人狼が勝つ確率は求まりました。ですが,また新たな疑問がでてきました。まとめると,
1 村の人口が偶数人と奇数人とで,人狼側の有利さを調べる->
2 \(n\)人村で,人狼が2人の場合に人狼が勝つ確率
3 村の人口が\(n\)人で,人狼が\(m\)人の場合に人狼が勝つ確率
4 狩人がいる場合に人狼が勝つ確率
占い師,霊能者,ハンター,狂人がいる場合は,確率を求めるときに,曖昧さがでてくるので,これらの特殊役職の確率計算は,なるだけ避けたいと思います。