漫画は全巻セットしか買いません。
ということで、今回は収集の心理学ということでディドロ効果について解説します。
様々な心理効果が併用してこのような効果が起こっているのだと思います。
ビジネスでの利用方法についても解説しています。
今回の記事を読むメリットは、
・ディドロ効果がわかる
・ディドロ効果の原因がわかる
・ディドロ効果のビジネスでの利用方法がわかる。
ディドロ効果

気に入った商品のブランド、もしくは同じ雰囲気のもので統一したくなることを「ディドロ効果」と言います。
例を挙げると、Appleの製品を一式揃えたい人や、ファッションでも同じブランドで統一したくなるのもこの効果にあげられると思います。
そのほかに
・家具一式同じブランドで合わせたい
・グッズは全部欲しい
・この系統の知識はすべて入れておきたい
なども言えることだと思います。
ディドロ効果の由来
フランスの思想家ドゥニ・ディドロが書いたエッセイ『文化と消費とシンボルと』にちなんで名付けられました。
エッセイでは友人からおしゃれな服をもらった筆者が服に見合う空間を揃えようとして、一式を捨て新しいものを買っていったことからつけられました。
その結果、逆に居心地が悪くなり後悔をするという結末を迎えます。
ディドロ効果の5つの原因
ディドロ効果の原因として、統一感という言葉はキーワードになってきますが、そのほかに個人的に分析した原因を5つを解説します。
キーワードは
・一貫性の原理
・コンコルド効果(サンクコスト効果)
・単純接触の原理(ザイオンス効果)
・認知的不協和
・ツァイガルニック効果
です。
一貫性の原理

自らの行動や発言や現象、態度、信念などを一貫したいという心理を「一貫性の原理」と言います。
誰しも自分の生き方や選択を、あっちいったりこっちいったり変えたくないものです。
また自分の行動を一貫することで、安心感が生まれます。
ディドロ効果では、同じブランドで揃えること安心感を得たいという気持ちがあるのだと思います。
コンコルド効果(サンクコスト効果)

ある対象への金銭的・精神的・時間的投資をし続け、損をするにも関わらずこれまでの投資を惜しみ、投資がやめられないことを「コンコルド効果」(サンクコスト効果)と言います。
後に引けない、引いたらもったいないと感じることですね。
ギャンブルや投資などでよくあることだと思います。
つまり、ディドロ効果ではせっかくここまでお金をかけて揃えたのだから、全部統一したいという気持ちになるということです。
あと1個でコンプリートできるなら欲しくなくても絶対買います
こちらの記事でコンコルド効果について解説しています。

単純接触の原理(ザイオンス効果)

会う回数や接する回数が多ければ多いほど、そのものに対する好感や愛着が高まりやすいことを「単純接触の原理」と言います。
ディドロ効果では、同じブランドで揃えていく中で触れる回数がどんどん増えていくことにより、さらに好きになっていくということです。
CMでよく見るものがいいものに感じるのもこの効果によるものです。
こちらの記事で単純接触の原理について解説しています。

認知的不協和の解消

自分の中に感じた不協和を解消しようとすることを「認知的不協和の解消」と言います。
上の画像は「酸っぱいブドウ」という話で、キツネは食べたいけど届かないという不協和をブドウは酸っぱいから食べなくていいとして、不協和を解消しています。
例を挙げると、助けた人を好きになるというのも認知的不協和です。
自分がこの人を助けたのは、この人のことが好きだったからだということにして助けた理由を誤認してしまいます。
同様に、ディドロ効果では同じブランドで集めていると、 自分はこの商品が好きだから集めているのだと、より深く思い込むことになります。
認知的不協和はこちらの記事で解説しています。

ツァイガルニック効果

達成できなかった事柄や中断していることの方が覚えていたり、やりたくなったりすることを「ツァイガルニック効果」と言います。
次回が気になるような終わり方をしたドラマはめちゃくちゃ印象に残りますよね。
ディドロ効果では、まだ完結していないシリーズのものは気になってしょうがなくなり、すぐに買ってしまいます。
完結すると 記憶に残りにくかったり、興味がなくなったりするのもこの効果のポイントです。
ツァイガルニック効果についてはこちらの記事で解説しています。

ディドロ効果をビジネスで活かす!

ディドロ効果は様々な心理用語の裏付けによって、なりやすいことがわかりました。
次にビジネスなどで活かす方法について解説します。
キーワードは
・ラインナップを作る
・値段設定を強気に
・次回予告する
・ブランド力を強化
です
ラインナップを作る

家具やファッションなど同じラインナップで揃えたいと思う人はたくさんいます。
私も新生活が始まる時に、同じブランドでセットで購入しました。
ですので、パソコンを扱うブランドならマウスやUSBメモリ、カバーやケースなどをセットで作ると、他の商品も売れやすくなります。
値段設定を強気に

値段が低いものであれば、揃えようと思いません。
せっかく揃えるならいいものを揃えたいですからね。
つまり、その商品に価値を感じさせたいならばあえて値段設定を強気にすることで、ブランドの価値が上がります。
このように値段の高いものを欲しがることを「ヴェブレン効果」と言います。
この方がより、ディドロ効果を活かすことができます。
安売りして、価値を下げるよりも値段を上げてもいいと思います。
次回予告する

先ほど解説したツァイガルニック効果を利用しています。
完結してしまうと、そのものに対する興味や愛着はどんどん薄れていきます。
次回予告をしてワクワク感を持たせるのもいい手です。
ですから、次がある次があると思わせることで、まだまだその注意を惹きつけることができます。
iPhoneもまだまだ先がありそうですよね。
ブランド力を強化

これが一番大事です。
基本的にディドロ効果が活かせるのは高級志向の方に対してです。
その際に名も知らないようなブランドでは見向きもされません。
そこでブランド力を強化し、いいブランドであると認知される必要があります。
人気があるものが、いいものであると思うことを「バンドワゴン効果」といいますが、それを利用しています。

また、ルイヴィトンでも同じようなことをやっていて、中古品などはすべて処分し、安売りはしないなど、自社ブランドの維持の徹底ぶりです。
ディドロ効果を見極める

結局のところ、いい商品で満足していれば問題ありません。
ですが、これまで集めていたからといって粗悪品までも買い込んでしまうことが、もったいないですよね。
冷静に
・そのものが本当に必要なものか
・何に使うのか
・以前持っていたものは、どうするか
など、吟味してもらえたらと思います。
最後に
今回は集めたくなるディドロ効果を見ていきました。
統一感がある方がなんかいいなって思いますよね。
この「なんか」を解明していくような内容だったと思います。
とはいえ、収集は楽しいです。買ってしまって後悔のないように、買い物を楽しんでください。
最後までお疲れ様でした。