色彩心理学最終章です。
3部作で描かれた色彩心理学です。
これまでの記事はこちら。
今回は、実際に色が持つ効果やイメージ療法という方法で自分をマネジメントする方法についての記事です。
また、今回はカタルシス効果という心理学用語も解説しています。
さしあたって、RADWIMPSの「カタルシスト」という歌についての考察もしております。
今回の記事を読むメリットは、
ここにテキストを入力
・色を使って自分をマネジメントできる
・カタルシス効果が理解できる。
です。
色彩心理学を用いた心理テスト
前回、色が人に与える影響はかなり大きいということを解説しました。
これは自分の深層心理にも言えることで、心理テストで色を使うとより鮮明に今の自分がわかります。
心理テストはこちらの記事
具体的には、ロールシャッハテスト、描画テスト(投影法)などです。
そのほかに
カラーピラミッドテスト
24枚の小さな正方形の色を並べて5段のピラミッドを作ることを繰り返し、知的特徴や、情緒的特徴を診断します。
暖色系は外向性、衝動性、情動性。寒色系は内向性、統制、抑圧。無彩色は抑圧感に関わると解釈されています。
色彩象徴テスト
「愛」「不安」「理想」「恐怖」などの与えられた刺激語といわれる41の言葉を提示し、それぞれの言葉に対して合うと思う色を16色の中から選択して診断します。
色の選択結果からパーソナリティを5タイプ(同調過剰型、同調型、均衡型、非同調型、病的な非同調型)に分けることができます
芸術療法(色彩で心を癒す)
芸術療法、もしくはアートセラピーという言葉は聞いたことがないでしょうか?
音楽や絵画などをはじめ、さまざまな表現活動を用いたい心理療法の総称です。
カタルシス効果
不安や緊張の原因となっている欲求や感情や衝動を、言語や行為を通じて解放させ、その症状が消えることを「カタルシス効果」と言います。
私はカタルシス効果をストレス発散という風に捉えています。
カタルシス効果の例
・悩みを吐き出したり、書き出す
・感動する映画を観る
・音楽を聴く、歌う
・何かを作る
芸術療法では、言語では説明できないような無意識を表現することで、自分の悩みを浄化しています。
RADWIMPSの「カタルシスト」の解釈
個人的な解釈になるので悪しからず!
カタルシスは先ほどの説明であったように、不安などを浄化することです。
そしてカタルシストとは、その浄化を担うものだと思います。(不安を抱えている人という解釈もありますが、私は担うものと捉えておきます)
この曲は、2018年FIFAワールドカップのテーマ曲ですが、そのサッカー選手は私たちが日々抱えているストレスや不安を吹き飛ばしてくれる、浄化してくれる人たちなんです。
そしてこの曲では、勝たなきゃ始まらないんだから、頑張ったからオッケーなんて綺麗事抜かしてんじゃねえよ!という強いメッセージ性があります。
この言葉の裏には、勝利だけをひたすらに目指して俺たちがこれまでどれだけの努力をしてきたか、テメェらは知らねえくせに知ったような口聞いてんじゃねえ!俺たちは勝ちてぇんだよ!という選手の本心を代弁しているのではないかと思います。
それだけ熱い思いだからこそ、私たちのカタルシストとして、見ている人を熱狂させ、感動させるのではないかと思います。
芸術療法にはカタルシス効果がある
横道に逸れましたが、芸術療法にはこのカタルシス効果があります。
言語で説明できないような無意識から湧き上がる感情や状態などをイメージとして捉え、癒しとしての効果があるとされています。
また、作品に表現することで自分自身を客観的に見つめ、理解してもう一度自分の中へ統合する作業が必要になります。
芸術療法の例
・絵画療法…自由に、また指示に従って絵を描く
・造形療法…陶芸や粘土細工で何かを作る
・音楽療法…歌を歌ったり、楽器を演奏したりする
・詩歌療法…詩や俳句、短歌を詠む
・ダンス療法…ダンスする
その中の描画ではいくつか種類があり、
・フィンガーペインティング…手や指に直接、絵の具をつけて色を塗る
・交互色彩分割法…描かれた枠の中を治療者と患者が交互に線を引いて区切り、交互に色を塗る
・スクィッグル法…ペンでぐるぐる線を描いてもらい、そこに何が見えるか説明してもらい色を塗る
などを利用して、心を癒していきます。
このように乱雑に描いたりすることで、無意識と意識をつないだり、発散したりする効果があります。
色を使った呼吸法
呼吸法は近年注目されていて、瞑想などで使うことで心を落ち着かせたり、自律神経を整え、最大限のパフォーマンスをすることができます。
今回はその中で、色を使った呼吸法について解説します。
ピンクをイメージする呼吸法
色をイメージする呼吸法の中でピンクをイメージすると、リラクゼーション効果があります。
- 体の力を抜きながら、息を吸いながら肩をキュッとあげ、息を吐きながら肩を下げます。
- ピンクを頭の中でイメージします。(自分の周りがぽわぽわとピンクに囲われているイメージ)
- そしてそのピンクの空気を腹式呼吸で吸い込みます。
- ピンク以外の余分な空気を吐き出すイメージで息を吐きます。
そのほかに私はやる気を出したいときには赤色をイメージしたり、落ち着きたい時には青色をイメージして実践しています。
全集中の呼吸!
イメージ療法
上の呼吸法は実際に周りの空気が変わったわけではなく想像だけで変えたものです。
このようにイメージをするだけで私たちの体はとても影響を受けます。
例えば、梅干しを食べるところを想像してくださいというと、唾液の分泌量が明らかに増加すると思います。
実験でもこのようなイメージが体の反応を引き起こすことが実証されています。
プラシーボ効果とも言えると思います。
うるしの実験
うるしに触ると手がかぶれてしまいますよね。
目をつぶっている被験者に対し、
といい、違う葉をあててもかぶれてしまうという結果となりました。
逆に
といって、うるしの葉をあててもかぶれないという反対の結果を得られました。
これは極端な例ですが、イメージの力でうるしのもつ「かぶれさせる能力」を消すことができました。
色のイメージ
色には「一般的な色のイメージ」と、投影法などで読み解く「色の象徴性」があり、少しだけ違います。
一般的なイメージを、心理テストで用いることができないのは、時代や国によってイメージが異なるからです。
例えば、緑は日本では自然の身近な色ですが、西洋では翻弄する運命の色とされています。
また、色には二面性があり、これはいい!と一概に言えないです。
例えば、青は知的で誠実というイメージがありますが、悪い意味では冷たい、孤独、憂鬱というイメージがあります。
今回は基本的な一般的な色のイメージについてです。
赤
エネルギーの象徴。有彩色の中で最も重要な色で、最強の呪術色として使われてきた。
赤のイメージはプラスにもマイナスにもエネルギー。赤い血液や太陽、炎などが強い。
愛情、興奮、怒り、熱い、強い、危険、逃走、愛、怒り、嫉妬、歓喜、緊張、エネルギー
使い方
自分を鼓舞する色として、また競合いの際には相手に働きかけるという意味。
ここぞで赤を身につけ、自分を支える色としたい。
ピンク、桃色
現在は健康と幸福に結びついた愛される色。
赤の高明度色であり、刺激が少なく、ぬくもりを感じさせる。
かわいい、優しい、甘い、若い、健康的、意地悪な、いやらしい
使い方
朝、柔らかいピンクの色に包まれると気分良く目覚めることができる。
優しい気持ち、甘えたい気持ちには、身近に置きたい。
橙、オレンジ
赤と黄の間にある色で、暖かく親しみやすい色。
暖かい、明るい、元気、健康、親しみやすい、ビタミン、安っぽい
使い方
もっとも暖かさを感じさせる色。寒い日にはイメージ療法で橙色のイメージを使って体を内側から温めたい。
親しみやすさを伝える色でもあり、明るい気分を伝えるのにも使える。
茶
緑と同様に身近にある自然の色。
自然な、落ち着いた、堅実な、古い、安心する、地味な、保守的な、平凡な
使い方
ベージュは毛布などの柔らかな素材で使うと、人の肌に包まれるような心地よさを感じる。
筋肉の緊張を解くので、リラックスタイムなどに使える。インテリアなどに使うと、温もりと広がりのある空間になる。
黄
歴史や文化、宗教の違いなどの影響を大きく受けている。
中世ヨーロッパでは狂気、裏切り、偽善などの負のイメージ。Yellowは俗語で臆病者を表す
明朗、希望、喜び、暖かさ、幸福、躍動、幼稚、光、お金、嫉妬、臆病
使い方
元気な子供のイメージ。心が硬くなっていると感じたら、黄色を身近に置くと軽くなる。
緑
環境問題が取り上げられる現在では、全世界的に大切な色。
自然そのものを表す言葉。中世ヨーロッパでは不幸を招く色。
(緑を嫌う人は劣等感を抱え、孤独で普通が嫌いという説があります)
自然な、安らぎ、落ち着き、癒し、若さ、爽やか、新鮮、安全、平和、平凡
使い方
森林の色として安らぎを与える。大自然に包まれる緑のイメージ療法は心地よい。
実際の自然の中での散歩もよい。緊張させない色で、クールダウンしすぎることもない。
青
世界中で愛されてきた色。日本の色の代表。
空や海の広大さが孤独感やクールダウンにつながったとされている。
冷たい、冷静、孤独、静か、爽やか、信頼、自由、誠実
使い方
爽やかさと静けさの青は、イライラしているとき、鎮静効果が期待できる。
青を前にして冷静に問題を考える。冷んやりと感じるため、夏場の布団でもよし。
紫
世界的に紫の染料は貴重であり、高い身分の人に愛される高貴な色
赤とも青ともなりうる色であり、曖昧で解釈がさまざま。
冠位十二階の冠の色は最上位。
高貴な、高級な、正式な、不思議、女性的、妖艶、和風、狂気、病気
使い方
紫に惹かれるときは、疲れた心があるのかも。
優しい香りや小さな生命の美しさが色とともに安らぎを与える。
白
光の色、明るさの印であり、黒の闇と対立。
神聖さ、神々しさのイメージから宗教とも結びついている。神の象徴。
純粋、神聖、清潔、無垢、明るい、潔白、緊張、無
使い方
気持ちを新たに引き締めて何かの出発をするときに使う。
緊張を高めるときにつかうので、身近な空間にはオフホワイトを使うといい。
部屋を広く見せることもできる。
灰色
白と黒の間の色。江戸時代に大流行した粋な色。
雨や嵐の前兆のような不安で、はっきりしないもの。
曖昧、陰気、不安、落ち着き、控えめ、疑惑、不正
使い方
どんな状況でもでしゃばらない。
優しいイメージで使うなら、青みのクールグレーではなく、ベージュを使った少し明るいものがよい。
黒
恐怖、悪魔の色という負のイメージ。強さの象徴。
強大な負の力の象徴。フォーマルな装いの色。
強さ、恐怖、孤独、反抗、暗さ、威圧的、邪悪、高級感、絶望感、闇
使い方
黒い服は、誰の侵入も許さない強さを持った鎧の代わり、防御の色。
自信がないとき、断りたいとき、やらなければいけないときなどで心を支える。
虹色
自然現象であり、虹色という1つの色は世界観としてイメージできる。
全体が統合され、完成されたものを表す。
希望、夢、平和、幸せ、清らか、理想郷、架け橋、儚さ
使い方
虹の効果は幻惑の世界に人を誘うこと。
さまざまな光を見つめていると、しばし現実を忘れる。
まとめ
カタルシス効果は表現して、悩みを浄化する効果
色をイメージした呼吸法で、セルフマネジメントしよう!
赤…エネルギー
ピンク…かわいい
橙…暖かい
茶…堅実
黄…希望
緑…自然
青…冷静
紫…高級
灰…曖昧
白…純粋
黒…強さ
虹…夢
最後に
今回は色のイメージでセルフマネジメントする方法についてみていきました。
個人的に重要な出来事の前に、色をイメージした呼吸法を実践していますが、心も落ち着いてかなり効果ありです。
赤と青をメインで利用し効果は、赤は熱くなりたいとき、青は冷静になりたいときに使っています。
自分の好きな色をイメージすると興奮効果もあると思います。
また、このように自分の思い通りにイメージを描ける人は、成功しやすいという傾向もあります。自分の成功する場面をイメージして自信になるということです。
ぜひセルフマネジメント、ストレス発散のために呼吸法を身につけてみてください。
最後までお疲れ様でした。