こんにちは、レイです。
みなさん、思い込んでますか?認知バイアスシリーズです。
今回は偽の薬でも効果が出るプラシーボ効果と、偽の薬でも副作用が出るノシーボ効果についてみていきしょう。
偽の薬でも効果あり!?
皆さんは子どもの頃、薬の効果を考えて飲んでいましたか?
私は全然読まずに、親から飲めば治るといわれてきたので信じて飲んでいました。
あとあと聞くと、ただのタブレットタイプのお菓子でした…。
(結果治ったんですけど、完全に騙されましたね)
このように薬理作用に基づかないのに治療効果が出ることを心理学で「プラシーボ効果」といいます。偽薬効果、プラセボ効果ともいいます。
思い込みなどの暗示的な作用ですね。
プラシーボの由来
プラシーボ(placebo)とは薬理作用のない薬のことをいいます。
「私を喜ばせる」という意味もあり、たとえ効果がなくても思い込みだけで喜ぶことができるという意味だと思います。
プラシーボ効果のメカニズム(思い込みの科学)
ある学者が脳のアドレナリンという興奮物質が分泌される「側坐核」に焦点を当てて実験を当てて、実験を行いました。
マウスの側坐核を偽の薬で刺激し、あとから病気に感染させると菌の繁殖が抑えられ免疫力が活性化されていることがわかりました。
つまり、偽の薬で効果があると期待させることによって、免疫力が高まるということです。
この実験から思い込みによる科学的な効果が証明されました。
プラシーボ効果の例
医療でのプラシーボ効果
先ほど同様に薬理作用のない薬を、効くといって渡すこともありますが、その他にダミーの手術というものがあります。(プラセボ手術ともいいます)
手術室に連れ込み、麻酔をかけ放っておくだけですね。
つまり、手術行為をしたという思い込みだけで治っていくというものです。
医者という権威のある人がするから大丈夫という認知バイアスもかかっています。
また、新薬の治験(実際に効果があるか実験をすること)で偽薬と新薬で対照実験(条件をそろえて実験をすること)を行うと、あまり差が出ないといわれています。
飲む人の心理状態によって効果が左右されるので、薬理作用が実際にあるのか判断できなくなるんですね。
ビジネスでのプラシーボ効果
A:10円のパソコン
B:10万円のパソコン
あなたならどちらを買いますか?
私なら、10万円のパソコンの方が性能が良く10円のパソコンは起動することもできないガラクタと判断して、Bのパソコンを買うと思います。
ですが、この際性能については説明されていないのでこれは値段という先入観だけで判断したことになります。
つまり、安いものより高いものの方がいいものであると判断してしまうのです。
これをビジネスで活かすとすると、あえて高くするという戦略を取ることができます。
A:300円のオムライス!国産のタマゴ使ってます!!
B:1000円のオムライス!国産のタマゴ使っています!!
単価がもし200円くらいのオムライスならあえて1000円することで、高級感が増し美味しいのではないか?という思わせることができます。
恋愛でのプラシーボ効果
運命や赤い糸などは信じますか?
誕生日が同じだったり、趣味や同じような考え方だとこの人は運命の人かも!?と思うことがありますよね?
運命の人に出会う確率はこちらの記事で紹介しています。
ぶち壊して申し訳ありませんが、これもプラシーボ効果によるものです。
簡単に言うと『好きだ』という思い込みが、運命の人であるという考えを強めるということですね。
ある程度、意中の相手のことを調べておいて相手に合わせた行動を取ると、運命の人かもしれないと思ってもらえると思います。
好きになる理由なんて何だっていいと思うので、ガンガン活かしてもらいたいです。
プラシーボ効果って噓ついてるやん(賛否両論あります)
確かに嘘と言われれば嘘かもしれません。
医学界でも賛否両論あるところです。医師法で、暗示的効果を期待して処方箋(薬の効果が書いてあるもの)を渡すことが暗示の妨げる場合は渡さなくてもいいと定めてあります。
つまり、医学的にも暗示的な効果を認めていてそれを助長するような行動を取っていいということです。
これに対して「客観的な改善はなくても自覚的・精神的な安息が得られるから認められるべき」という肯定的な意見や「効果があっても、倫理的にOUTでしょ」という否定的な意見もあります。
確かにどちらの意見も正しいと思いますが、私は効果あるなら全然OKだという考えですね。
プラシーボ効果の反対の効果
頭痛薬に副作用で睡眠薬も入っていて、飲むと眠くなる感覚がありますよね。
これは薬理作用として正しく作用していますが、偽の薬に副作用があるというと有害だと思い込んで病気になったりすることがあります。これを「ノシーボ効果」といいます。
つまり、思い込みがマイナスに働くことです。
ノシーボ効果の例
医療におけるノシーボ効果
上記で挙げたように、偽薬を例にとります。
偽薬の入った瓶に『毒薬』とラベルの貼り、それを飲んだ患者さんは思い込みで苦しみを感じるという話です。
すさまじい思い込みの力ですよね。
スポーツでのノシーボ効果
いわゆるイップスです。
イップスとは精神的な原因についてよりスポーツの動作に支障をきたし、自分の思い通りのプレーができなくなることですが、イップスという言葉が生んだノシーボ効果であると思います。
思い通りのプレーができないという思い込みが、自分の精神状態を揺さぶるために起こるものだと思います。
その他はプラシーボ効果の反対の例と捉えてもらったらと思います。
思い込みの力はすごい
これまで、プラシーボ効果とノシーボ効果について説明してきました。
思い込みの力は科学的に証明されていて、めちゃくちゃすごいです。
自分はすごいという思い込みが天才を生み出し、薬には効果があるという思い込みが難病を治すこともあります。
プラシーボ効果により、自分の能力の30~40%を引き出すことできるとも言います。
わかっていても引っかかる!?
腰痛で治療を受けている患者に『偽薬』というラベルをしている薬を投与したら、飲んでいるときよりも30%ほど軽減されたという話があります。
つまり、仮に嘘とわかっていてもないときよりは全然よくなるということです。
最後に
今回は思い込みにより効果が表れるプラシーボ効果とノシーボ効果をみてきました。
私も新しいことに挑戦したり、不安なことがあると「自分にはできる」という暗示をかけることがあります。それだけで勇気が出てきて、本当にできちゃう気がしてくるんですよね。
自分が天才と思い込むダニングクルーガー効果を前に紹介しましたが、この思い込みの力はいい方に傾けばすごい力を発揮するし、天才をも凌駕する力を得るのではないかと思っています。
自信を持つ方法という記事にはしていませんが、思い込みによる暗示効果も短期的な自信を得るために有効な手段です。ぜひ試してみてください。
最後までお疲れさまでした。