大学数学

[通信方式]DSB・AM信号の変調方法に関する演習問題

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ユキ
ユキ
金持ちになりたい。どうも,ユキです。

皆さんはお金を稼いだ後,その稼いだお金をどうしますか?

私は自己投資にまわします。

そんな話はどうでもいいので,今日も通信方式の問題を解いていこうと思います。

問題1

下図は,DSB信号発生用の平衡変調器を示したものである。下図中の\(Z_1(t),Z_2(t),E_1(t),E_2(t),V_{DSB}(t)\)を導出せよ。

平衡変調器

問題1解答

\(Z_1(t)=m(t)+\cos (2\pi f_c t)\)

\(Z_2(t)= -m(t)+\cos (2\pi f_c t)\)

\(E_1(t)= a_1(m(t)+\cos (2\pi f_c t))+a_2( m(t)+\cos (2\pi f_c t))^2\)

\(E_2(t)=a_1(-m(t)+\cos (2\pi f_c t))+a_2(-m(t)+\cos (2\pi f_c t))^2\)

 

\( E_1(t)-E_2(t)= a_1( m(t)+\cos (2\pi f_c t))+a_2( m(t)+\cos (2\pi f_c t))^2\)

\(-[ a_1(-m(t)+\cos (2\pi f_c t))+a_2(-m(t)+\cos (2\pi f_c t))^2]\)

 

\(E_1(t)-E_2(t)=2a_1m(t)+a_2( \cancel{m(t)}+\cos (2\pi f_c t)- \cancel{m(t)}\)

\(+\cos (2\pi f_c t))( m(t)+\cancel{\cos (2\pi f_c t)}-(-m(t)+\cancel{\cos (2\pi f_c t)}))\)

 

\( E_1(t)-E_2(t)= 2a_1m(t)+4a_2m(t)\cos (2\pi f_c t)\)

\( E_1(t)-E_2(t)\)を帯域フィルタ(中心周波数\(f_c\))に通すと,出力信号\(v_{DSB}(t)\)が得られる。よって,\(v_{DSB}(t)\)は,

\(v_{DSB}(t)= 4a_2m(t)\cos (2\pi f_c t)\)

問題2

受信されたDSB信号を\(V_{DSB}(t)=m(t)\cos (2\pi f_ct)\)とする。ここで,\(m(t)\)は情報信号,\(f_c\)は搬送波周波数である。DSB信号\(v_{DSB}(t)\)に局部発振搬送波\(C(t)=\cos (2\pi f_c t)\)を同期させることにより,情報信号\(m(t)\)が取り出されることを示せ。

問題2解答

\(v_{DSB}(t)\)に局部発振搬送波\(C(t)\)を同期させる様子を以下のブロック図に示す。

\(V_{DSB}(t)C(t)= m(t)\cos (2\pi f_ct) \cos (2\pi f_ct)\)

\(V_{DSB}(t)C(t)= m(t)\frac{1+\cos (4\pi f_ct)}{2}\)

\(V_{DSB}(t)C(t)\)をローパスフィルタに通すと,出力信号\(v_O(t)\)が得られる。よって,\(v_O(t)\)は,

\(v_O(t)=\frac{1}{2}m(t)\)

情報信号を1/2倍した波形が取り出される。

問題3

DSB信号\(V_{DSB}(t)=m(t)\cos (2\pi f_ct)\)と通常の振幅変調\(v_{AM}(t)=A\cos (2\pi f_c t)+v_{DSB}(t)\)の周波数スペクトルを導出し,その違いを説明せよ。ここで\(m(t)\)は変調信号,\(f_c\)は搬送波周波数である。

問題3解答

\(v_{DSB}(t),v_{AM}(t)\)をフーリエ変換した関数をそれぞれ\(V_{DSB}(f),V_{AM}(f)\)とすると,

\(V_{DSB}(f)=\int_{-\infty}^{\infty} m(t)\cos (2\pi f_ct)exp(-j2\pi ft)dt\)

\(V_{DSB}(f)=\int_{-\infty}^{\infty} m(t)\frac{ exp(j2\pi f_ct)+ exp(-j2\pi f_ct)}{2} exp(-j2\pi ft)dt \)

\(V_{DSB}(f)=\frac{1}{2}\int_{-\infty}^{\infty} m(t) exp(-j2\pi (f-f_c)t)dt+\frac{1}{2}\int_{-\infty}^{\infty} m(t) exp(-j2\pi (f+f_c)t)dt \)

\(V_{DSB}(f)=\frac{1}{2}(M(f-f_c)+M(f+f_c))\)

<終>

\(v_{AM}(t)= A\cos (2\pi f_c t)+ m(t)\cos (2\pi f_ct)\)

\(v_{AM}(t)=[A+m(t)]\cos (2\pi f_ct)\)

両辺をフーリエ変換すると,

\(v_{AM}(f)= \frac{1}{2}\int_{-\infty}^{\infty} [A+m(t)] exp(-j2\pi (f-f_c)t)dt\)

\(+\frac{1}{2}\int_{-\infty}^{\infty} [A+m(t)] exp(-j2\pi (f+f_c)t)dt \)

 

\(V_{AM}(f)=\frac{1}{2}(M(f-f_c)+M(f+f_c))+\frac{A}{2}(\delta (f-f_c)+\delta(f+f_c))\)

AM信号は、DSB信号にインパルスを追加したものである。

問題4

下図は,通常のAM信号発生用の2乗素子変調器を示したものである。下図中の\(Z_1(t),Z_2(t),v_{AM}(t)\)を導出せよ。

問題4解答

\(Z_1(t)=m(t)+A\cos (2\pi f_c t)\)

\(Z_2(t)=a_1(m(t)+A\cos (2\pi f_c ))+a_2(m(t)+A\cos (2\pi f_c ))^2\)

\(Z_2\)を中心周波数\(f_c\)の帯域フィルタを通すと,\(v_{AM}(t)\)が得られる。

よって,\(v_{AM}(t)\)は,

\(v_{AM}(t)=A[a_1+2a_2m(t)]\cos (2\pi f_c t)\)

問題5

AM信号を\(v_{AM}(t)=A(1+m_0(t))\cos (2\pi f_c t)\)とする。変調信号がトーン信号\(m_0(t)=\cos (2\pi f_m t)\)の場合,変調率が0.4のときの\(v_{AM}(t)\)波形を図示せよ。

問題5解答

問題6

DSB信号を\(v_{DSB}(t)=Am\cos (2\pi f_m t)\cos (2\pi f_c t)\),AM信号を\(v_{AM}(t)=v_{DSB}(t)+A\cos (2\pi f_c t)\)とする。このときDSB信号およびAM信号の伝送効率(=側波帯電力/全電力)を求めよ。ただし信号の電力は以下のように定義する。

$$P=\frac{1}{T}\int_{0}^{T}v^2(t)dt$$

問題6解答

DSB信号の伝送効率とAM信号の伝送効率をそれぞれ\(η_{DSB},η_{AM}\)とすると,

\(η_{DSB}=\frac{ \frac{1}{T}\int_{0}^{T}v_{DSB}(t)^2dt }{ \frac{1}{T}\int_{0}^{T}v_{DSB}(t)^2dt }=1\)

\(η_{AM}=\frac{ \frac{1}{T}\int_{0}^{T}v_{DSB}(t)^2 dt }{\frac{1}{T}\int_{0}^{T}A\cos (2\pi f_c t)^2 dt +\frac{1}{T}\int_{0}^{T}v_{DSB}(t)^2dt }\)

\(η_{AM}=\frac{ \frac{1}{T}\int_{0}^{T}A^2m^2(\frac{\cos (2\pi (f_c+f_m)t)+\cos (2\pi (f_c-f_m)t)}{2})^2 dt }{\frac{1}{T}\int_{0}^{T}A^2 \cos (2\pi f_c t)^2dt +\frac{1}{T}\int_{0}^{T}A^2m^2(\frac{\cos (2\pi (f_c+f_m)t)+\cos (2\pi (f_c-f_m)t)}{2})^2 dt }\)

\(η_{AM}=\frac{ \frac{A^2m^2 }{4}}{\frac{A^2}{2}+\frac{A^2m^2 }{4}}\)

\(η_{AM}=\frac{m^2}{2+m^2}\)

問題7

0.3kHz~3.4kHzに帯域制限された情報信号\(m(t)\)を10MHzの搬送波でSSB信号を作るとき,1段フィルタ法と2段フィルタ法による間隙帯域幅(両側波帯間の隙間)をそれぞれ求めよ。ただし,2段フィルタ法での第1フィルタにおける搬送波を100kHzとする。

問題7解答

1段フィルタ法で生じる間隙帯域幅\(\Delta f_1\)は,

\(\Delta f_1=2×(10000+0.3)=20000.6\)[kHz]

2段フィルタ法で生じる間隙帯域幅\(\Delta f_2\)は,

\(\Delta f_2=2×(100+\frac{\Delta f_1}{2})=20200.6\)[kHz]

問題8

「\(SSB\)信号は\(DSB\)信号に直交成分を加えたものである」
このことをトーン信号\(m_0(t)=\cos (2\pi f_m t)\)を持つ\(DSB\)信号\(v_{DSB}(t)=m_0(t)\cos (2\pi f_c t)\)を用いて説明しなさい。

問題8解答

\(v_{DSB}(t)=\cos (2\pi f_m t) \cos (2\pi f_c t)\)

\(v_{DSB}(t)=\underbrace{\frac{1}{2}\cos (2\pi f_c t) \cos (2\pi f_m t)+ \frac{1}{2}\sin (2\pi f_c t) \sin (2\pi f_m t)}_{v_{LSSB}(t)}\)
\(+\underbrace{\frac{1}{2}\cos (2\pi f_c t) \cos (2\pi f_m t)- \frac{1}{2}\sin (2\pi f_c t) \sin (2\pi f_m t)}_{v_{USSB}(t)}\)

\(v_{DSB}(t)= \frac{1}{2}\underbrace{\cos(2\pi (f_c-f_m))}_{v_{LSSB}(t)}+\frac{1}{2}\underbrace{\cos(2\pi (f_c+f_m))}_{v_{USSB}(t)}\)

2つのSSB信号を展開すると,DSB信号とその直交成分が現れる。

問題9

SSB信号とQAM信号の類似点,相違点を述べよ。

問題9解答

\(v_{SSB}(t)=\frac{1}{2}m_0(t) \cos (2\pi f_c t)\pm \frac{1}{2}m*_0(t)\sin (2\pi f_c t)\)
※\(m*_0(t)\)は\(m_0(t)\)の複素共役

\(v_{QAM}(t)=m_1(t) \cos (2\pi f_c t)+ m_2(t)\sin (2\pi f_c t)\)

SSB信号とQAMの類似点は,位相差が\(\pi /2\)異なった搬送波\( \cos (2\pi f_c t)\)と\( \sin (2\pi f_c t)\)を用いている点である。

SSB信号とQAM信号の相違点は,SSB信号では情報信号を\(m_0(t)\)の1つしか送らないが,QAM信号は\(m_1(t)\),\(m_2(t)\)の信号を同時に送ることができる点である。

最後に

ちなみに,この記事を皆さんに見せたからといって,私にお金が入ってくるわけではありません。(勘違いする奴がいると面倒なので一応言っとく)
この記事は私の暇つぶしに書いているだけです。

ABOUT ME
ユキ
数学担当です。お金大好き大学生やってます。 講義がないときは、だいたい図書館にいるので図書館の門番とも呼ばれています。 L・O・V・E ラブリー マネー!