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名前がしっくりこない気がします。
偏差値といえば、QuizKnockのこうちゃんが高校時代の数学の偏差値が98ということをおっしゃっていましたね。
今回は偏差値と点数についての記事です。
この記事を読むメリット
☑️偏差値の計算方法がわかる
偏差値とは?点数との違いは?
まず,偏差値は点数とは大きく考え方が異なりますが,最小がのび太君で,最大が出来杉君であることは,共通しています。
偏差値は主に,高校受験や大学受験などで,学校の学力レベルを測る指標として使われています。
偏差値とは,50を基準としたときに,自分の点数が平均点から+とーに,どれだけ離れているのかを測る「じょうぎ」のようなものです。
ですが,この説明は極めて曖昧でわかりづらいので,偏差値の定義式を使って計算すると,少しはわかるかもしれませんよ!
偏差値の定義
偏差値は,次の式で与えられます。
$$偏差値=50+10\times\frac{自分の点数-平均点}{標準偏差}$$
この式によると,自分の点数が平均点と同じであれば,偏差値は50になります。
標準偏差は,簡単に言うと点数のばらつきを表したものになります。
偏差値に関する練習問題:
先ほどの計算式をもとにいくつか練習問題を解いてみましょう。
練習問題1:
A君の算数のテストの点数が70点で,平均点が80点で,標準偏差が20のときのA君の算数の偏差値
練習問題2:
A君の国語のテストの点数が60点で,平均点が50点で,標準偏差が20のときのA君の国語の偏差値
練習問題1解答:
$$偏差値=50+10\times\frac{自分の点数-平均点}{標準偏差}=50+10\times\frac{70-80}{2}=45$$
A君の算数のテストの偏差値は45です。
練習問題2解答:
$$偏差値=50+10\times\frac{自分の点数-平均点}{標準偏差}=50+10\times\frac{60-50}{2}=55$$
A君の算数の点数と国語の点数を比べてみると,A君の算数のテストの方が点数は高いですが,偏差値はA君の国語のテストの点数の方が高くなります。
これが偏差値です。
察しのいい方は気づいてるかもしれませんが,テストの点数は,テストの難しさに左右されますが,テストの偏差値は,テストの難しさに左右されにくいという特徴があります。
・点数はテストの難しさに左右される
・偏差値はテストの難しさに左右されない
テストの点数が平均点を下回ると,偏差値は50未満になる??
理由は,偏差値の定義式を変形してみるとわかります。
やりたいこと:偏差値が50を下回ることを示したい。
では,偏差値の定義式を,右辺を$$自分の点数-平均点$$となるように
式変形しましょう。
$$偏差値=50+10\times\frac{自分の点数-平均点}{標準偏差}$$
両辺を50で引きます
$$偏差値-50=10\times\frac{自分の点数-平均点}{標準偏差}$$
両辺を$$\frac{標準偏差}{10}$$で掛けます。
$$(偏差値-50)\times\frac{標準偏差}{10}=自分の点数-平均点$$
自分の点数より,平均点の方が大きいので,
$$(偏差値-50)\times\frac{標準偏差}{10}=自分の点数-平均点<0$$
が成り立ちます。
ここで,左辺に注目すると,
$$(偏差値-50)\times\frac{標準偏差}{10}<0$$
両辺を$$\frac{標準偏差}{10}$$で割ります。
よって,
$$偏差値-50<0$$
$$偏差値<50$$
ということで,示したい式が示せました。
ちなみに,自分テストの点数が平均点を上回っている時は,さきほどと同様にして,
$$偏差値>50$$
になります。
偏差値は100をこえるのか?
さて,いよいよ本題に入ります。
結論:理論上は偏差値は100を超えます。
ただし,現実的には滅多に起こりえません。偏差値の定義式を見て下さい。
$$偏差値=50+10\times\frac{自分の点数-平均点}{標準偏差}$$
この式によれば,自分の点数と平均点との差が大きく,標準偏差(点数のばらつき)が小さいときに起こります。
なので,難易度が高いテストで満点を取ると,偏差値が100を超えます。
逆に,難易度が低いテストで,0点を取ると偏差値は0を下回ることもあります。
校内の偏差値と全国の偏差値のどっちを見れば良いの?
受験戦争で戦う相手は,学校内の人ですか?
偏差値は戦う相手の情報が詰まっています。ですから,答えとしては2通りあります。多くの人は全国の偏差値を見た方が良いですが,内部進学の場合に限っては,校内の偏差値を見た方が良いです。
何でもかんでも偏差値にすればいいというわけではない
(図は正規分布をイメージしています。)
偏差値はデータが正規分布に近いこと(平均が一番多くかつ真ん中で、それから離れるにつれて減っていく)を前提にして作り出されているものです。
ですから,データが正規分布に従っていない場合は偏差値で評価するのは好ましくありません。例えば,年齢を偏差値で表すことはできません。
なぜなら,年齢の分布は正規分布からかけ離れているからです。
(日本は少子高齢化なので形は指数関数に近いですね)
私立の学校と公立の学校の偏差値は比べられない
一般に私立の学校と公立の学校は偏差値で比べることはできません。
これは,私立と公立で学力層が異なることが理由です。
私の学校では,私立の学校が滑り止めのような風潮だったので,公立の学校を受験する人の方が学力レベルは高い印象でした。
偏差値と点数の違いのまとめ
・点数はテストの難しさに左右されるが、偏差値は左右されない
・平均点以下のときは偏差値は50以下になる
・難易度の高いテストで、高い点数を取れば偏差値100は超える
・校内ではなく、全国の偏差値で戦え!
最後に
受験期に入り,自分の偏差値について悩む人も多いかもしれません。
しかし,偏差値はテストの難易度、周囲の学力によって大きく左右されます。
偏差値という不安定なものを指標にするより絶対的に評価できる点数を上げることを考える方が賢明です。
どちらにしてもやることは変わりません。
自分の点数・偏差値を上げる為に,入試問題の過去問を繰返し解いて問題の傾向をつかんだり,単語帳を作って暗記するなどを地道にこなしていきましょう。