数学の魔術師ならぬ,数学のペテン師。どうも,ユキです。今日は,円周率(\(\pi\))を求めましょう。紙と鉛筆を用意してください。また,プログラミングで計算が出来る方は,プログラムを組んで,計算することを推奨します。
円周率\(\pi\)の求め方
結論から言うと,以下の無限に続く連分数を計算することで,円周率を求めることができます。
\(\pi=\frac{4}{1+\frac{1^2}{3+\frac{2^2}{5+\frac{3^2}{7+\frac{4^2}{9\cdots}}}}}\)
ただし,無限回の計算は,日本のスーパーコンピュータ「京」でも不可能ですし,計算能力がスーパーコンピュータ以上の量子コンピューターでも無理です。
なので,連分数を途中でぶった切りましょう。
\(\pi≒\frac{4}{1+\frac{1^2}{3+\frac{2^2}{5+\frac{3^2}{7+\frac{4^2}{9}}}}}\)
連分数を途中で切ったので,上の式は\(\pi\)の近似式になります。上の近似式を計算していきます。
\(\pi≒\frac{4}{1+\frac{1^2}{3+\frac{2^2}{5+\frac{3^2}{7+\frac{4^2}{9}}}}}\)
\(=\frac{4}{1+\frac{1}{3+\frac{4}{5+\frac{9}{7+\frac{16}{9}}}}}\)
\(=\frac{4}{1+\frac{1}{3+\frac{4}{5+\frac{9}{\frac{79}{9}}}}}\)
\(=\frac{4}{1+\frac{1}{3+\frac{4}{5+\frac{81}{79}}}}\)
\(=\frac{4}{1+\frac{1}{3+\frac{4}{\frac{476}{79}}}}\)
\(=\frac{4}{1+\frac{1}{3+\frac{316}{476}}}\)
\(=\frac{4}{1+\frac{1}{3+\frac{79}{119}}}\)
\(=\frac{4}{1+\frac{1}{\frac{436}{119}}}\)
\(=\frac{4}{1+\frac{119}{436}}\)
\(=\frac{4}{\frac{555}{436}}\)
\(=\frac{1744}{555}\)
\(=3.14234\cdots\)
\(\pi\)の真値は,3.141592\(\cdots\)なので,小数点以下2桁まで一致させることが出来ました。
実際に計算
円周率\(\pi\)の近似値を精度の低い順に並べました。
\(\frac{4}{1}\) | 4 |
\(\frac{4}{1+\frac{1^2}{3}}\) | 3 |
\(\frac{4}{1+\frac{1^2}{3+\frac{2^2}{5}}}\) | 3.1\(\dot{6}\) |
\(\frac{4}{1+\frac{1^2}{3+\frac{2^2}{5+\frac{3^2}{7}}}}\) | 3.13725\(\cdots\) |
\(\frac{4}{1+\frac{1^2}{3+\frac{2^2}{5+\frac{3^2}{7+\frac{4^2}{9}}}}}\) | 3.14234\(\cdots\) |
\(\frac{4}{1+\frac{1^2}{3+\frac{2^2}{5+\frac{3^2}{7+\frac{4^2}{9+\frac{5^2}{11}}}}}}\) | 3.14146\(\cdots\) |
\(\frac{4}{1+\frac{1^2}{3+\frac{2^2}{5+\frac{3^2}{7+\frac{4^2}{9+\frac{5^2}{11+\frac{6^2}{13}}}}}}}\) | 3.14161\(\cdots\) |
円周率の真値は,3.141592\(\cdots\)です。
計算値と真値の誤差を見ると,連分数を多く残すほど,近似値の精度が上がることがわかります。
最後に
円周率を求めるときは,円周率の定義に従って求めても良いですが,円と定規が必要で
手間がかかる割に不正確です。従って,\(\pi\)の連分数展開を使うことにより,\(\pi\)の近似値を簡単に求めていただきたいです。
参考文献
https://ci.nii.ac.jp/naid/110002333727
\(e\)の連分数展開を引用
https://www.juen.ac.jp/math/nakagawa/pi2002.pdf
\(\pi\)の連分数展開を引用
http://kk62526.server-shared.com/pi/Acceleration.html
級数の収束を加速させる為の補正項に関する記事が書かれているサイト