この記事を読むメリット
☑数学的帰納法の問題にチャレンジできる。
☑難関私大レベルの問題にチャレンジできる。
数学的帰納法とは
帰納法は,数学に限らず,起こった出来事から法則や原理を導き出し,未知の問題が正しいことを導こうとするものです。
数学的帰納法は,帰納法を数学的に改良したものを数学的帰納法と言います。
数学的帰納法の問題
問題:
正の数\(a\),\(b\),\(x\),\(y\)について,\(a+b=1\)ならば,全ての自然数\(n\)に対して不等式\((ax+by)^{n}\leq ax^{n}+by^{n}\)が成立することを証明しなさい。
問題解答:
(ⅰ)\(n=1\)のとき,
\((ax+by)^1=ax^n+by^1\)
となります。
(ⅱ)\(n=k(n\geq 2)\)のとき,\((ax+by)\leq ax^n+by^n\)成立すると仮定すると,\(n=k+1\)のとき,
\((ax+by)^{k+1}=(ax+by)(ax+by)^{k}\)
\(= (ax+by)(ax+by)^{k}\leq (ax+by)(ax^{k}+by^{k})\)
\(=ax^{k+1}+b^{k+1}+ab(x^{k}y+xy^{k})\)
ここで,第三項について,\(b=1-a\)より,
\(= ax^{k+1}+b^{k+1}+\underbrace{a(1-a)(x^{k}y+xy^{k})}_{<0} < a^{k+1}+b^{k+1}\)
となります。
(ⅰ),(ⅱ)より,
\((ax+by)^{n}\leq ax^n+by^n\)
は成立し,等号成立は\(n=1\)のとき
<終>
まとめ
\(n=1\)のときと,\(n\geq 2\)のときに場合分けをする。
\(n=k\)が成立すると,仮定することで,\(n=k+1\)が成立するかどうか確かめる。
関連問題へのリンク
大学入試問題へのリンク->
https://cupuasu.club/tag/highschool-math/
最後に
数学的帰納法や背理法を使った問題は,大学入試でもよく出てきます。数学的帰納法は,パターンさえ覚えてしまえばなんてことは無い問題なので,あっさりと解いてしまいましょう。